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本当は怖い!? 冬のお風呂の話

本当は怖い!? 冬のお風呂の話

12月に入り寒さが増し、お風呂の気持ちいい季節になりました。熱々のお風呂に飛び込んで「はぁ~極楽、極楽」と唸ってしまう人も多いことと思います。ついついやってしまいがちなことですが、実はこの行為は非常に危険だということをご存じでしょうか?本日は、冬に気を付けて欲しいお風呂と健康についてお話したいと思います。

意外と多い、お風呂の事故0(:3 _ )~

皆様はお風呂での事故死が意外に多いことをご存じでしょうか。交通事故の年間死亡者数は4,000人程度なのに対して、お風呂での事故死者数は年間約14,000人にも上ります。死因は心配停止、脳血管障害、溺死等で、特に寒冷地や冬の時期に多く起こります。寒い時期の入浴中に起こりやすいのは「ヒートショック」という現象が関係しています。最近、テレビなどでもよく耳にする言葉なのでご存じの方も多いかと思いますが、非常に危険な現象なので、次の章で詳しく説明したいと思います。─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ急げー!

「ヒートショック」とは(。´xωx`。)

ヒートショックとは、体温の急激な変化に伴い起こる血圧の乱高下のことをいいます。人の体は体温を自動で一定に保つための機能が備わっています。体が冷えると体温を逃がさないように血管を収縮させ、逆に体が暖まると熱を放出しようと血管を拡張させます。血管が収縮すれば血圧は上がり、拡張すれば血圧は下がります。冬場は屋内外での温度差だけでなく、同じ屋内でも暖房によって室温の 差が大きくなりがちです。その結果、体温の変化=血圧の変化が激しくなるため、ヒートショックが起こりやすくなるのです。

詳しくみる、入浴中の血圧変化(灬¯︶¯灬)♨

では、冬のお風呂場での血管と血圧の動きを詳しく見てみましょう。

  1. 暖房の効いた部屋から風呂場へ行く→体温急低下→血管が収縮=血圧↑
  2. 服を脱ぐ→体温急低下→血管さらに収縮=血圧↑↑
  3. 湯船に浸かる→熱いお湯により、交感神経興奮→さらに血管収縮=血圧↑↑↑
  4. しばらくすると体が暖まる→体温急上昇→血管拡張=血圧↓↓↓
  5. 湯船からあがり、脱衣所へ→体温急低下=血圧↑↑↑↑

このように、冬場の入浴は血圧の変動が激しく起こります。血圧が急に上昇すれば、血管や心臓に大きな負担がかかるため、脳出血、脳梗塞、心筋梗塞を引き起こす可能性があります。一方、血圧が急に低下すると低血圧状態になり、めまい、ふらつき、それに伴う転倒を招く恐れがあります。さらにヒートショックは元々血圧の高い人や血管の脆くなっている人、すなわち、お年寄りや動脈硬化のある患者さんに起きやすいことがわかっていますので、お心当たりのある方は十分注意してください。

実践していただきたい、冬の入浴六ヶ条

最後にヒートショックを防ぐための方法を五つほどお教えします。とても簡単なことなので是非実行してみてください。

———–冬の入浴五ヶ条——————————

  • 第一条:脱衣所、浴室の温度をあげるべし!体が急に冷えるのを避けるために脱衣所や浴室を暖めてから入浴しましょう。また一番風 呂は避けて、二番目以降に続けて入ることで浴室が暖まったままで入浴ができます。
  • 第二条:入浴する前に水を飲むべし! 汗で水分が抜けると、血液がどろどろになって血管がつまりやすくなるので、水分をしっかり摂ってから入浴しましょう。
  • 第三条:お風呂の温度を少し低めに設定するべし! 温度が高いお風呂は血管や心臓に負担がかかるので、温度は38度~40度のぬるめにしましょう。また、かけ湯をしてしっかり体をならしてから湯船に浸かりましょう。
  • 第四条:肩まで浸かるべからず! 肩まで浸かると心臓に大きな負担がかかるので、浸かるのは腹部くらいまでにしましょう。肩が寒いときはタオルをかける等しましょう。
  • 第五条:急に立つべからず! 急に立ち上がると低血圧状態になって転倒する可能性があるので、なにかに掴まってゆっくりと立ち上がりましょう。

いろいろ怖いことを言って驚かせてしまいましたが、お風呂はとっても気持ちの良いものです。安全な入浴方法で身も心もリフレッシュしてくださいね(*´▽`*) それでは皆様良いお年を~